【レビュー】サマーウォーズ
ノーチェックだったのだけど、お誘いがあって、見てきました☆
感慨深げに見送ったつもりだったのに、なかなか今年の夏は尾を引きます('-'*
まだ上映中なのでネタバレは避けるとして、
影鈴はアニメを見れる人間だから楽しめたものの、
「子供向け?大人向け?一般向け?マニア向け?家族向け?ターゲットが定まっていないよー」
ってのがまず全体の感想。
「クレしん」の映画なんかは「大人も子供も楽しめる」映画なわけなのだけど、
それは、「大人も子供もおいてけぼりにしない」からだ、
とサマーウォーズを反面教師に気づいた次第。
一般人は、ハッキングが実世界に影響を与える時点でちんぷんかんぷんだろうし、
逆に、その道の人にとってはセキュリティ設定も話の展開も素人すぎて盛り上がらないし、
子供にとっては、親戚の人間描写はつまらないだろうし、
逆に大人にとってはバトルシーンが子供だましすぎるし、
全員を惹きつけるべきアクションシーンは作画がいまいちだし・・と
なかなか厳しい状況。
選んでくり抜けば、結構面白いシーンやメッセージあるのだけど、
それがツギハギでくっついてしまっていて、
なかなかもったいなく。
でも、親戚の描写がなかなか良くて、影鈴は気に入りました('-'*
子供の頃、夏休みにおばぁちゃんのところに泊まりに行くと、
親戚がいっぱいいて、
居間の大きな食卓では
いろんな仕事してるおじさんとか、一足先に社会に出た従兄弟達が大人の会話してて、
あるいはおばさんや従姉妹達が紅茶とケーキで世間話してて、
お誕生日席には祖父や祖母がいて、、
というあの懐かしい夏休みの雰囲気。
職業に合わせた各キャラの個性とか普段の生活伺わせる細かい描写が結構良いのです。
・・むぅ、影鈴も大家族作りたいなぁ('-';
ハッキングとAIの暴走が引き起こす地球の危機、なんてガジェットは
25年以上前の「ウォー・ゲーム」から一歩も逸脱してないけれど
(最後の切り札がゲームという辺りまでw)、
ウォー・ゲームとサマーウォーズの違いは、
あれがSFなのに対し、こちらはホームドラマ、というところ。
25年で夢は追いつかれて、背景になってしまったのですね。
「ウォー・ゲーム」ではコンピュータが解くのは三目並べ。
三目並べと世界核戦争ゲームで相互確証破壊を学んだコンピュータは、
そんなつまらないもの止めて、「チェスでもしませんか?」。
当時のコンピュータにとって、チェスは核戦略よりも難しい問題だったわけですが・・
今NORADのスパコンが「チェスでもしませんか?」なんて言ってきたら全く話が違います。
ボーマン船長だってno thank youで、
NORADの高官達は、戦争AIがSに目覚めてしまったかと、冷や汗を流すことでしょう。
実装はそれくらい進んだというのに、かたや、
恥ずかしいことに夢のレパートリが結局コスモ星丸のころから増えていなく。
人類はこの25年間でどんな新しい夢を見ているのかな。
攻殻での集合知や雪風の認識論は面白かったですが・・
でもそれは新しいのかな、それくらいしか言えないのはなんとも恥ずかしい限り。
ちょいと最新SFとか抑えてみようかしらん。今、誰がおもしろいのかなぁ。