【ガンダム】普通の言葉でガンダムを語る

ちょっと前に、夢乃氏経由で、 「7/24、31に放送予定の『BS熱中夜話:ガンダムナイト』のフロアに出ませんか?」 というお話があったのでした。 なんでも、「ガンダム好きが昂じて研究者になってしまった人」という絵が欲しかったらしく。 残念ながらスタジオ収録日はコスイベントの先約と重なっていて、 この話は見送ってしまったのですが、ことガンダムに関しては一家言も二家言もある影鈴。 後ろ髪ひかれまくりなのが見抜かれたか、番組製作の方から、 「機械や情報の専門家の先生が、ガンダムからどういった部分で影響を受けて、  その道に進むものなのか、見解を教えてください。  ガンダムへの興味とコンピュータへの興味がリンクするものなのでしょうか?」 的なメールがが。 無論これは取材ではなくて、後ろ髪ひかれまくりなガノタを納得させる方便でしょう^^; こういう、虚を交えた気配りは自分にはできないなぁと舌を巻きつつ、 乗りかかった舟、と意見を書いてみたのでした。 んが、この場合対象として想定される受け手は、 下手すればオデッサのオの字も知らない一般人。 普段ガンダム語りをする相手達のような、いろいろすっとばして、 「ガンダムの魅力は畢竟トミノゼリフですよー」 とか言ってしまって大丈夫な人達とは訳が違います。 やってみると意外にも、 ガンダムの魅力を一般語で説明するという試みは非常に新鮮なものだったのでした(笑 特に公開に問題ないと思うので、折角だから日記のネタに。 相手へのサービス入れてたり、真芯を捉えきれていなかったりで、 ファンとしてはやや恥ずかしいのですが・・(*ノノ 叩き台としてでもどうぞなりです~ -------------------- (前略)「小さい子供の頃にガンダムを見た」ということは、 大きな方向づけの一つになっている研究者は多いのではないかと思います。 ただ、影響を与えているのはコンピュータやロボット、という個別的な興味では なくて、「ガンダムで描かれている空気」ではないかと考えます。 まだ子供のアムロはガンダムを上手に動かせることによって 仲間や大人達から認められて行くわけですが、 ここでガンダムを上手に動かす決め手は、 勇気や体力よりも、メカ技術の理解と実践である・・・ ガンダム世代の自分には至極当たり前の事なのですが、 なんとも過激なプロットのアニメを作ったモノだと思います。 視聴者の子供達も、大人達に認められる手段として、 MSを乗りこなす方法を一緒に真剣に考えていたものです。 そうやって真剣に見るガンダム世界、 技術の魅力や厳しさが容赦なく詰め込まれており、 また架空の技術達が非常に楽しく筋が通っています。 最初見たときに理解できなくても、 なにか良質な技術のイロハを感じることのできる作品です。 この作品のすごい所は 「奇跡が起こらない」中で魅力的なドラマが展開するということで、 技術は人間の手の延長線上にすぎない、という書かれ方が徹底しています。 主人公とはいえガンダムが勝手に動いて敵を倒してくれたりはしませんし、 神様とか超生命体が人類を導いてくれたりもしません。 ガンダムはきちんとマニュアルを読まないといけないばかりか、 常にメンテナンスが必要です。 ジオン脅威のメカニズムも事情は同じで、 人が乗っていないMSはモノアイが消えて、ただの塊として描写されています。 「ニュータイプ」についても、やや話はややこしくなるものの、 基本的に同じような、人間中心の立場で描かれています。 本編ではさりげない描写で、 技術というのは適切に使わないと働かないし、万能な技術というものもなく、 変わらない物理法則の中で、ケースバイケースで工夫しなければいけない、 一方で、革新的な技術で戦場の(世界の)ルールが変わってしまう (ドムを衝撃的に感じた人は多いと思います)カタルシスも見せてくれます。 子供心に、技術を使いこなすパイロットや技術を生み出す博士達として活躍する ことはとても誇りあることに感じられました。 そうやって子供心を鷲づかみにされた後、 細かいメカの描写や軍事的、歴史的な展開、人間模様など、 いろいろ語っても破綻しない強固な世界がガンダムにあり、 いつまでたってもガンダムが楽しめる理由は 各人各様の宇宙世紀解釈が、 各人の成長とともに育っていくからじゃないかなと思います。 専門を選ぶのに直接影響するかというと、機械工学の方以外は微妙かと思います。 とはいえ、「人間の手の強力な延長」としてのコンピュータには ガンダムの精神に通じるところもあり、 リンクはまたいくらでも議論できてしまいそうです。 長くなってしまい、申し訳ありません。 暴走して、ご期待の意図を外していないか心配ながら、 急いで走り書きさせて頂きました。 ざっくりと簡単にしてしまうと、 コンピュータやロボットへの具体的な興味、というよりは 「技術への誇りとイロハ」みたいなものをもらった気がします。 理科離れ、と言った時に、 奇跡に頼らずに技術に誇りを持てる子供向けアニメが昨今あったかな? というのは決して無関係ではないのではないかと思っていたりします。(後略) --------------------